J-SHINE資格とは?取得の難易度は?

子どもに英語を教えたい人のための資格として知られるようになった「J-SHINE資格」。いったいどのような資格なのでしょうか。

自らもJ-SHINE資格を取り、現在は講師のトレーナーとして幅広く英語指導や先生のトレーニングに関わる筆者が、資格の概要、取るのは簡単?難しい?といった疑問にお答えします。

J-SHINE資格とは

笑顔の小学生たち

小学校英語の指導者を認定する資格です。

国家資格ではなく、全国の教育関係の団体が協力して小学校で英語を指導できる人の養成し、協議会がその資格を認定する、いわゆる民間資格です。

NPO 小学校英語指導者認定協議会(通称 J-SHINE=ジェイシャイン)は2003年(平成15年)に設立されました。J-SHINE資格は、児童英語、小学校英語の資格として10年以上の歴史があります。

ちなみに、J-SHINEって何の略? という疑問にお答えしておきます。

Japan Shogakko Instructors of English

から各単語の頭文字プラスアルファを取って

J Sh In E  = J-SHINE としたそうです。(Shogakko って…… 日本語入ってますね 笑)

最初のうちは「J社員? なんですか? 正社員じゃないんですね」などと言われていましたが、少しずつ認知度がアップしてきた実感があります。

J-SHINE資格の目的

J-SHINE、どんな趣旨の資格なのでしょうか。

J-SHINEサイト

小学校英語指導者認定協議会のサイトより:

1. 小学校英語指導者資格認定事業
小学校教育現場へ良質な指導者を安定供給するために、英語指導者としての統一的な認定基準に従い資格認定を行います。

2. 小学校英語活動の普及とその支援事業
資格認定者を協議会のホームページ上のデータベースで全国に公開し、各地の教育委員会に有資格者の指導者採用を働きかけ、英語活動の普及に努めます。

(以下略)

漢字が多くて目がちかちかします!?

つまり、あなたがJ-SHINE資格者と認定されると「小学校の現場で英語指導ができると認められる」「J-SHINEホームページのデータベースに載せてもらえる」わけです。

勘違いしてはいけないのは、「資格取得」したら必ず「小学校での仕事ができる」わけではないこと。
採用状況は自治体ごとに違います。「J-SHINE資格を持っている人を募集」することもあれば、募集自体がない自治体もありますので、そこはそれぞれのお住まいや勤務希望地域でご確認くださいね。
今後、当サイトにも随時情報を追加していきます。

J-SHINE資格はどんな人におすすめ?

どんな人がこの資格を取ったらいいの? 私はJ-SHINE資格を取ったほうがいい? と思われたら。(女性の写真を載せましたが、男性の取得者もいらっしゃいますよ!)

本をチェックする女性

資格取得に向いている?チェックポイント
(筆者が独自に作成。立場や目的が異なる方をカバーするため、すべてにチェックがつくようにはしていません)

環境・スキル編

・私は現在、子どもに英語を教えている または今後教えたい

・民間の教室に英語講師として仕事を見つけたい

・私は小学校教員である、または将来小学校教員を目指している


・英検2級、TOEIC650点以上を取得している(※)

※2014年実施・J-SHINE資格取得者対象アンケート結果より筆者が割り出した一つの目安です。指導者としての英語力向上には、ここでいい、というものはありません。資格の有無に関わらず、各自が磨き続ける必要があります!

適性編

・子どもの集団を見ると、(イラっとするより)ほほえましく思う

・英語を使って楽しい経験をしたことがある(人との交流、旅行、留学、各種試験など)


・英語は知識として終わらせず、コミュニケーションの道具として身につける・身につけさせる方法に興味がある

上記、チェックが4つ以上あれば、この資格が役立つ可能性が高いです。

小学校教員の方は、日々の仕事に学んだスキルを役立てられますので、教員免許にプラスしてJ-SHINE資格を取られることをおすすめします。

民間で指導していて、小学校に入る予定はないけれど…… という方でも、「小学生に英語を指導できます」という証明書のような感じで取得されたケースがありますのでぜひ参考に。

「ちょっと英語ができるから教室やっています」ではなく、「子どもたちに英語を教えるための勉強をしっかりしてきました」と保護者の方などにアピールする材料になる、というわけですね。

J-SHINE資格の取り方、難易度は?

英文書類と本

J-SHINE資格は簡単に取れるのでしょうか?

「J-SHINE資格のための試験があるの?」「合格率は?」と聞かれることがありますが、通常のJ-SHINE資格(小学校英語指導者資格)は、試験に合格して取得するものではありません。基礎的な英語力があって、小学生への英語指導に興味がある、ここまで読んでくださった方にとっては取得可能性は大きいと思います。

(資格を取ってから、さらに上級のトレーナー資格では試験などもありますが、ここでは一般にJ-SHINE資格と言われている資格について説明します。)

まず、資格認定に必要な内容をカリキュラムとして備えた「登録団体」が主催する「指導者養成講座」を修了する必要があります。
(登録団体には、英会話スクール、専門学校、海外の語学スクールなどがあり、養成講座にも通信講座、通学など各種形態があります。取得のための期間や費用は別記事でまとめます。)

以下、大まかには次のような流れです。

【1】指導者養成講座を受講

いずれかの登録団体にて「指導者養成講座」を受講します。
(この講座を途中でやめず、ちゃんと修了するのが最大のポイントです!)

【2】推薦を受けて書類提出

上記講座を修了することで登録団体に「小学校英語指導者」として認定してもらい、「資格認定の推薦」を受けてJ-SHINEに書類を提出します。

【3】結果を受け取る

J-SHINEの認定委員会で審査され、結果が通知されます。合格の場合、資格認定書が発行され、J-SHINEのデータベースに掲載されます。

目の前に続く道

認定された時点で、指導未経験の人、実際の指導時間が50時間に満たない人は「小学校英語準認定指導者」資格となります。

「準認定」資格を取った後、指導時間が 50 時間を越えたら、登録団体を通じてJ-SHINEに連絡し、「小学校英語指導者」の正資格に書き換えることができます。

英語力はどのくらい必要なの?

小学校英語指導者認定協議会のサイトには、「英語力の目安として、英語で授業が行えること」とあります。

わかるような、わからないような…… 漠然とした表現です。

英語を話す力と、授業を進める力は 同じでない部分も大きいですよ!

つまり、英語がネイティブレベルでも、全然話を聞いてもらえない、クラスをまとめられない先生はいます。

英語が多少つたなくても、小学生との学びを楽しみ、笑顔でクラスを引っ張れる人のほうがずっと成果を出せたりします。

実例紹介

【実例紹介】小学校教員・Aさんのケース

英会話スクールで「英会話」と「J-SHINE資格取得」の二本立てで勉強し、小学校英語指導者の資格を取ったそうです。それ以前は、特に留学やテスト受験など、英語関連の勉強や体験はしていなかったとのこと。

それでも現在、教室の前に立って英語を使う姿は、発音や間の取り方を含め、小学生の子どもたちのお手本といっていいレベルです。

資格取得に当たって、すでに英語の資格などを持っている、英語で話すのに慣れている、など英語を勉強しなおす必要がないのは有利ですが、これから英語力も上げていく! という場合でも資格は目指せるといえます。

日のあたる教室

「英語で授業が行える」ためには、難しい言葉を使わずに、子どもたちに「いま、どうしたらいいか」を英語できちんと伝え、動いてもらえる、できたことをほめて、自信をつけてあげられる、そんなスキルが大切です。(このあたりのコツは、クラスルームイングリッシュの記事でご紹介予定です)

もちろん、目指すは「高い英語の運用力+指導力」を兼ね備えること!!

上記チェックリストには英検の級やTOEICスコアの目安を挙げましたが、そこに到達していてもおごらず、届いていなくても、あきらめず…… まずは一歩を踏み出して、研鑽を続けることですよ~! 応援しています。

どんな人たちがJ-SHINE資格を取っているの?

たとえば、以下のような方々です。

  • 民間の子ども英語(児童英語)教室の先生
  • 小学校教員
  • 主婦
  • 会社員
  • 全体では女性が多いですが、筆者自身、トレーニングの現場で男性の資格保持者にお会いすることもたびたびあります。

    なぜ資格を取ったの? という動機としては、以下のような例が挙げられます。

  • 「子ども」「英語」というキーワードで、自分のやりがいや仕事につなげたい
  • すでに子どもや英語に関わっているのでさらなるスキルアップをしたい
  • 広くつながりや情報を得られる立場にいたい
  • ご自分なりの「やりたい」理由を持てるといいですね。

    J-SHINE研修会の一コマ

    (写真:実際の講師研修のワークショップの一コマ。J-SHINEトレーナー有志によって開催されたものです。小学校英語指導者資格を持っている方が多く参加されました)

    次の記事では、実際にどんな団体で、いくらくらいの費用で取得できるか見ていきます。

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